変形を直すと見栄えが良くなる
バイクのシートは年数が経つほど変形しやすくなります。
ライダーの体重によりスポンジが押しつぶされて形がすっかり変わってしまうのはもちろんですが、摩擦によって擦れた部分から強度が弱くなり裂けてしまうこともあります。
シートが傷んだまま乗り続けていると、あっという間に劣化が加速してプロに直してもらわなければならないほど痛みが生じる可能性が高くなります。
そうなる前に自分でシートの修正をしてみてはいかがでしょうか。
参考:シート張り替え方法
シートの修正方法
シートを自分でメンテナンスするのは難しいのではないかと思われがちですが、実は他のパーツをメンテナンスするよりも簡単だと言われるほど意外とスムーズに実現するものです。
まずはシートに付いているベルトや金具類を取り外してください。
金具を取り外す際にはサイズの合ったドライバーを使用してゆっくりと丁寧に取り外しましょう。
次にシートの革を留めているタッカー針を取り外します。
マイナスドライバーでタッカー針の間に差し入れるとテコの原理でタッカー針が取れるようになりますが、勢い余って針が飛んでしまうことがあります。
場合によっては目に入って怪我をする可能性があるため、必ずメガネを着用して作業を行ってください。
浮いたタッカー針はニッパなどで丁寧に引き抜くようにしてください。
全てのタッカー針を取り外したらシートの革をはがせる状態になりますが、経年劣化に伴いスポンジに張り付くようになっている場合があります。
スポンジが剥がれてしまうと面倒なことになるので、ゆっくりと慎重に剥がすようにしてください。
シートが破れていてスポンジが濡れている場合などはタオルで水分を吸い取ってから陰干しをしましょう。
直射日光に当てて乾かすと劣化しやすくなるので必ず陰干しにしてください。
スポンジに凹凸がある場合には紙やすりを使って軽くこすると修正できます。
紙やすりでは修正できないくらいの凹凸に関しては、手芸店で購入できるキルト芯を少しずつちぎって凹凸部分を埋めるようにして段差を調整してください。
何度か重ねるようにして調整すると上手に凹凸を修正できます。
スポンジの修正が終わったら防水用のビニールをかぶせてからシート革をかぶせます。
タッカー針の位置を確認しながら仮止めをして、たるみが生じないように慎重にタッカーで留めていきましょう。
この時、ピンピンに張るようにしてシートを留めるのではなく、多少つまむことができるような余裕を残すのがポイントです。
実際に新車で納車されるバイクも多少の緩みが存在しているのがわかります。
あまりきつく張った状態にして留めると、擦れによって革が破れやすくなるので注意してください。