2月 092026
 
メンテナンス用具

保安基準と車検対応の確認

バイクのミラーは後方確認のためだけのパーツではありません。道路運送車両法に基づいた厳格な保安基準が存在し、これを満たしていないと車検に通らないばかりか、整備不良として違反の対象となります。

特に注意が必要なのが鏡面のサイズ規定です。円形のミラーであれば直径94mm以上、150mm以下、それ以外の形状でも直径78mmの円が収まる面積が必要とされています。また、2007年以降に製造された車両には、歩行者などと接触した際に衝撃を緩和する構造が義務付けられています。

これをターナーや衝撃緩和装置と呼びますが、デザインだけで選んだ安価な社外品にはこの機能がない場合も多いため注意が必要です。公道を走る以上、見た目のカスタムよりも安全基準を最優先にパーツを選定してください。車検対応品マークの有無もしっかりと確認しましょう。

死角を減らす正しい調整位置

ミラー交換後の調整も非常に重要です。ただ後ろが見えれば良いというものではなく、死角を極力減らすためのセオリーが存在します。

調整時はサイドスタンドをかけた傾いた状態ではなく、必ず車体を垂直にし、平坦な場所で普段の乗車姿勢をとって行ってください。鏡面の左右調整の目安としては、内側約4分の1から3分の1程度に自分の腕や肩が映り込む位置がベストです。

あえて自分の体が映り込むようにすることで、後続車との距離感が掴みやすくなるからです。上下の角度については、鏡面の中心よりも少し下に地平線が来るようにセットすると遠くまで見通せます。

走行中の振動で徐々にズレてしまうこともありますので、出発前の点検と同時に視認性のチェックを習慣づけることを強く推奨します。見えにくいミラーは事故の元です。

交換時の注意点と逆ネジ対策

ミラー交換は比較的簡単な作業ですが、車種特有の逆ネジには最大の注意を払ってください。特にヤマハ車や一部のモデルでは、右側のミラー取り付け部に、左に回すと締まる逆ネジが採用されています。

これを知らずに一般的な正ネジだと思い込んで力を込めると、ネジ山を破損させ、最悪の場合はマスターシリンダーごとの交換という高額な修理になるリスクがあります。

社外品を取り付ける際は、そのミラーが正ネジか逆ネジかを確認し、必要であれば変換アダプターを用意しましょう。作業時は一本のスパナで回そうとせず、アダプター側を固定するスパナと、ミラーのナットを回すスパナの二本を使って締め込むのが基本です。

確実な固定が走行中の脱落事故を防ぎます。固着している場合は無理せず潤滑剤を使用してください。