コンプレッションゲージでエンジンのコンディションチェック
エンジンの調子が良くないといっても、それが本当にエンジンの不調によるものかどうかは簡単に判断できません。
コンプレッションゲージを使ってエンジンのコンディションチェックをしてみましょう。
コンプレッションゲージとは、エンジンの圧縮圧力を測定するための機器です。
エンジンや燃料の種類によって違いはありますが、ガソリンエンジンでは圧縮圧力がだいたい1000〜1500kpa、10〜15kgf/平方センチメートルぐらいになります。
まず、マシンの規定値を知っておきましょう。
13〜14kgf/平方センチメートルが規定値のマシンの場合、10kgf/平方センチメートルを切るとパワーの不足を感じます。
また、エンジンの始動が悪くなることもあるので注意しましょう。
コンプレッションゲージを使った測定方法
最初にプラグを外します。
多気筒エンジンの場合、プラグはすべて外しましょう。
プラグがある状態では、それが抵抗になってセルが基準を満たすほど回転しないことがあります。
また、カプラーやヒューズなど燃料系もコックで止めるなどしてカットしておきましょう。
次に、コンプレッションゲージを取り付けます。
その際、ゴミやほこりが混じらないようにすることと、0リングを確認しておくことを忘れないようにしてください。
そのうえで、ネジ山のピッチにも注意しましょう。
ネジのサイズは同じなのに、コンプレッションゲージによってはネジ山のピッチが異なることがあります。
プラグのネジ山と同じアダプターを使いましょう。
そしてセルを回転させますが、その際アクセルを全開にするのがポイントです。
そうでないと取り込める空気量が少なくなるため、測定値が低くなってしまいます。
アクセル全開の状態でセルを回し、ゲージの針がそれ以上上がらなくなった数値を確認します。
あとは、これを何回か繰り返してください。
エンジンが好調なときは、燃料、爆発、圧縮の3要素がすべて良い状態です。
燃料が良い状態とは、ガソリンの鮮度のことと言ってもよいでしょう。
長年放置していたバイクに入っているガソリンは品質が劣化していますから、これではエンジンに問題がなくてもうまく始動できません。
古いガソリンは抜き取って、新しいガソリンに交換しましょう。
爆発の良い状態とは、マシンの電気系のことです。
十分な強さと適切なタイミングで火花が飛ぶかどうかと言ってもよいでしょう。
エンジンの種類によって異なるため、お持ちのマシンを確認してください。
そして最後の圧縮とは、コンプレッションゲージで測定できる圧縮圧力のことです。
新しいエンジンは好調ですが、長く走っているうちにピストンリングの摩耗や給排気バルブのベタつきなどで圧縮の状態が悪くなっていきます。
バイクごとに規定値が異なるので、マニュアルで確認し、適宜コンプレッションゲージで測定して規定値内にあるかどうかチェックするようにしましょう。