バッテリーレス車を導入する前にまず注意
バイクに搭載されているバッテリーは重量があり、またかなり場所やメンテナンスの手間がかかるものです。
そこでバイクの軽量化や簡易化のためにわざとバッテリーをなくすカスタマイズをすることもあります。
バッテリーのないバイクというとどうやってエンジンや灯火類などを動かすのだろうと思いますが、内部に電解コンデンサを設置することで可能となります。
よくバイクショップなどに「バッテリーレスキット」という名称で販売されていますが、これを設置することによりエンジンをかけた時に内部で発電が行われそれがそのまま動力として使用されます。
ただし電解コンデンサは電気を作り出すことはできても蓄電するということができないので、バイクのエンジン起動のためにはキックスターターなどが必要となります。
バイクによっては完全にバッテリーを外してしまうと電力不足でキックではエンジンがかからないということもあるので、バッテリーレス化をするときには十分リスクを考えて行ってください。
そんなバッテリーレス化で困るのが便利な電装機器類の設置ができないということです。
バイクのバッテリーにある電力は駆動部そのもの以外にも便利な機能を使用するために使われるので、バッテリーがないと困る部分が出てきます。
高速道路を走行するときに非常に便利なETC装置もそのうちの一つで、これを設置するためには必ず電力が一定量必要になります。
市販のETC機器の注意事項にも設置のための条件として「本体およびアンテナを取り付けるスペースがあること」と「DC12Vの電源が取れること」の2つが挙げられています。
しかし絶対に取り付けることができないかというとそういうわけではなく、配線によっては使用が可能になることもあります。
バッテリーレス化バイクの場合、エンジンが起動すれば発電と同時に供給が行われるようになるので、ヘッドライト部分の配線を併用してつなげることで、エンジン起動中のETC作動が可能になります。
とはいえバッテリー電源のような安定的な電力供給があるわけではないので、車体の状況によっては正常に動作しない危険があります。
ポータブルETCを使用するときの注意
ETC機器の中には、電源を内部のバッテリーに由来せず乾電池で別にとるしくみをしているものもあります。
いわゆる「ポータブルETC」と言われるものですが、こちらを使うことで安定的にバッテリーレスバイクであってもETCを使用をすることができます。
ポータブルETCの場合、車載をしなくてもよいという利点がありますが「一台につき一つのETC」という原則があることから複数のバイクで共有をすることはできません。
また通常のETCと違って電波の通りがよくないので、いざゲートを通ろうとするときにうまく開いてくれない危険があります。